歴史・文化

牛滝の「おこもり」に雲丹もいっしょ!(前編)

投稿日:2014年1月16日 更新日:

佐井村のいちばん南にある集落、牛滝地区では、
毎年、「おこもり」と呼ばれるお祭りが行われます。
漁業の村である佐井村では、大漁や海上安全・無病息災を願うお祭りが多く残っていますが、
「おこもり」もそのひとつ。毎年1月15日と12月15日に行われています。
とはいっても、そのようすは少し変わっていて、新聞やテレビなどにもたびたび取り上げられるようになってきました。
おこもりの起源などは他の媒体の記事にゆずるとして、
今年のおこもりの様子と、
おこもりに参加した雲丹の様子をご紹介したいと思います。
1月15日、日が暮れて夜7時くらいになると、だんだんと人が集まり始めます。
場所は高台にある「牛滝神明宮」。
中には、囲炉裏があって、寒い中、囲炉裏を囲んで、皆さん酒を飲みながら談笑しています。
IMGP3366.JPG
そして、8時30分くらいになると、若者たち十数人が立ち上がってお宮を出て、
歩いて3分くらいの牛滝生活センター(集会所)へ向かいます。


IMG_2209.JPG
外は激しい吹雪。
写真は、ただピンボケしてるわけじゃないです。
吹雪でちゃんと写せないだけです。
若者たちはセンターから、すまし汁の入った大鍋とご飯の入ったおひつをお宮へと運んできます。
もちろん1つや2つではありません。大量にです。
このご飯や汁の支度をしていた女性陣もセンターからお宮へ移動し、
9時すぎ、いよいよおこもりの行事が始まります。
ここで、佐井村のゆるキャラ、雲丹(うんたん)も、お宮に到着。
牛滝のみなさんから、「おー、よぐきだのー」と歓声があがります。
IMGP3378.JPG
まずは「一番膳」と呼ばれる一度目の食事で、おもに年配の方が参加されます。
はじめにお神酒が配られ、その後、お膳が配られます。
IMGP3375.JPG
ちなみに、お膳の中身はこんな感じです。
IMGP3425.JPG
ご飯と、「八杯汁」と呼ばれる豆腐やしいたけの入った汁、上にたくあんがありますが、実はこの下にぜんまいの辛子和えが入っています。ぜんまいが見えないのは、僕が写真を撮るときにフタを取り忘れただけです。
参加しながら撮っているので余裕がないんですよ!
全員にお膳が行き渡ると、今回のおこもりの世話当番になっている方が、発声します。
「それでは箸をお取りください」
この掛け声と同時に、全員が一斉にお椀のフタを開け、食事を始めます。
同時に、
「めしーーっ、めしーーっ!!!!」
「しるーーー、しるーーっ!!!!」

という絶叫が始まります!!
IMGP3408.JPG
おこもりでは、威勢よく食べるのが習わしとされ、
ごはん、汁を食べられるだけおかわりをして食べます。
給仕をする男の人も、
「めしーーっ、めしーーっ!!!!」
「しるーーー、しるーーっ!!!!」

と食べる側をあおるので、心を落ち着けようとしても、無理です。
IMGP3383.JPG
おかわりを催促するときには、絶叫しながらお椀のふちを叩いて催促します。
もう、闘いといった感じです。
ちなみに、食事が始まるまでは肌寒かった室内ですが、
始まると、一気に5℃とか10℃とか温度が上がった感じがして、
見ている者も汗が出てきます。
IMGP3406.JPG
雲丹のニセモノ的なひとも、給仕を手伝っていますが、
なんだか腰が引けています。
食べきれなくなったら、フタをします。
が、うまくやらないと、わんこそばと同じように、どんどん盛り付けられてしまうので注意。
雲丹は・・・
食べられないので、唖然として見ていました。
IMGP3381.JPG
迫力の一番膳、終了。
ぐったりとしている人や、満足そうな人、様々です。
この後、二番膳が始まります。
長くなってきたので、続きます!
後編は こちら



-歴史・文化

執筆者:

関連記事

no image

牛滝の「おこもり」雲丹もいっしょ!(後編)

佐井村の牛滝地区で、大漁と無病息災を祈って行われるお祭り「おこもり」。 その模様のレポート、後編です。 (前編は こちら ) 一番膳が終わって、次は、二番膳が始まります。 「二番膳に参加される方は手を …

佐井村名物の「裂き織り販売コーナー」 配置が変わって元気に営業中!

2018年5月1日に、アルサスがリニューアル! 館内にエレベーターが設置され、配置が変わりました。 場所が少しだけ動いたのが、 佐井村名物の民芸品「裂き織り」の販売コーナーです。 裂き織り用の織り機も …

12年ぶりの本祭典-牛滝-

つづいて、牛滝地区の本祭典をご紹介します! (前回の記事はこちら→「12年ぶりの本祭典」) 牛滝地区は、佐井村最南に位置しています。 本村(役場などがある地区)から車で1時間程。ほぼ、坂道かカーブです …

no image

郷土芸能交流に向けた意見交換会が実施されました

2017年3月22日、津軽海峡をまたいだ郷土芸能の交流についての意見交換会が、青森県庁で行われました。 言い出したのは、青函交流に力を入れている江差町のMさん。 形的には、いちばん規模が小さい佐井村が …

no image

箭根森八幡宮例祭 太鼓をたたくということ

9月14日~16日に行われた箭根森(やのねもり)八幡宮の例祭。 今年は、土用干しという形態で、お宮の行列がない形で行われて、 いろんなことがまあ、ありました。 ありましたが、なぜか、僕の筆というか、別 …

アピオス特設ページ
佐井村特産品通販 あおい環オンラインショップ

佐井村をふるさと納税で応援! ふるさとチョイス