下北半島は、世界最北のサル生息地として、国の天然記念物に指定されています。
現在、下北半島全体で2400頭以上が生息しており、
貴重な野生動物として保護されると同時に、地域の農業に深刻な害を与える動物にもなっています。
このサルの生態について把握し、今後の保護と対策に役立てるために、
12月末の1週間にわたって、サル冬季調査が行われました。
この調査は、佐井のサル調査会が、毎年冬に行っていて、なんと今年で21年目だそうです。
動物の研究をしている研究者、北海道や東北、また遠くは関東から集まった大学生と、佐井村のサル対策関係者が集まって、サルの調査を行います。
都合で一部日程しか参加できない人も多いですが、多い日には総勢25人くらい!
村中を歩き回ってサルとサルの痕跡を探します。
僕も参加させてもらいましたが、
超初心者なので、教わりながら、
ベテランの大学生について歩きました。
上の写真は、5日目の調査。
雪山を入って、沢に抜けるはずが、迷って迷って、海に出てしまいました。
探すのは、サル自体が見れればいいですが、すぐに見つかるものでもないので、
まずは痕跡。雪の中についているサルの足跡です。
しかし、今年は日によっては雪が融けてしまっている日もあって、
こんな感じで、雪のない山の中を探していくこともありました。
かと思えば、
こんな吹雪のときも。
ちなみに、この写真の5分後に木陰で昼食をいただきました。
僕はそんなにサル運がないらしく、なかなかめぐり合えず。
最終日に目視でサルを見つけましたが、
他の日は足跡も見つけられませんでした。
見つけたのは、
これはカモシカの足跡のようです。
自分も別の仕事があったので、参加できたのは4日だけでしたが、
本当に面白い調査でした。
割と日常でサルを見る機会は多いので、サルを見たから感動するとかはないのです。
でも、サルを調べるために、こんなに多くの人が集まって、夜には熱く語り合って、
1日に4~5時間、冬の厳しい環境をずーっと歩き回っているという。
この人たちのパワーはすげえなと感動しましたね。
県外の大学生がこれだけ佐井に集まるイベントというのは、他にないですからね。
自然との共生は大変難しいテーマですが、
こうして多くの人が考え続けているからこそ、
僕らの生活も続いていくんだなと思います。