佐井村の牛滝地区で、大漁と無病息災を祈って行われるお祭り「おこもり」。
その模様のレポート、後編です。
(前編は こちら )
一番膳が終わって、次は、二番膳が始まります。
「二番膳に参加される方は手を上げてくださいー」
と声がかかると、先ほど給仕をしていた若者たちが声を上げます。
そして、神様の前に円を描くように並んで座り、配膳されるのを待ちます。
先ほどと同じように、お神酒が配られ、そのあと、お膳が配られます。
今回は、隣の雲丹のにせものも参加するようです。
もちろん、神聖な行事ですので、ふざけて参加することは許されませんが、
にせものの人も、ふざけてこの格好をしているわけではなく、
まじめに村の活性化を考えてやっています。
(この服、薄いのでメチャクチャ寒いらしいですよ!!)
今回は特別に牛滝のみなさんにも認めていただきました。ありがとうございます。
さあ、お膳が配られました。
「それでは箸をお取りください」
「めしーーっ、めしーーっ!!!!」
「しるーーー、しるーーっ!!!!」
にせものの人も、最初は余裕でおかわりしています。
そして、他に参加している牛滝の若者たちは、
慣れていることもあって、勢いをましておかわりします。
「めしーーっ、めしーーっ!!!!」
「しるーーー、しるーーっ!!!!」
「たくあーーーーーーーーーーーーーーーーん!!」
たまにたくあんのおかわりも入ります。
実は僕はにせものの人の隣で参加しながら写真を撮っているので、
写真に気を取られていると、知らぬうちに勝手にご飯が増えているので、
まったく油断できません。
だんだんにせものの人も苦しくなってまいりました。
慣れている地元の方々はいいところで終わりますが、
初めての参加なので、ぎりぎりまで粘ります。
もちろん、ご飯は大切なものですので、残してはいけません。
なんとか完食!
最後に、お茶が配られるので、いただきます。
それにしても、勢いよく食べたせいで、すこし口の中を噛んでしまい、
熱いお茶がちょっとしみます。
二番膳が終わったら、最後は三番膳。
こちらは、ここまでお世話をしていた女性陣が参加して行われます。
「めしー、めしー」
と、少し掛け声はかかりますが、
こちらはゆっくりと、味わいながらという雰囲気も出しつつ、行われます。
三番膳まで終わると、食事は終わりとなり、
あとはゆっくりとお酒をのむもの、家路に着くものとさまざまです。
おこもりの当番になっている方々は、朝までこの神社にこもって、お祈りをするのだそうです。
さて、今年も無事に終わったおこもりでした。
ぜひ、事故がなく、大漁の年であってほしいものです。
田舎の伝統行事というと、一般のイメージとしては、
なかなか若者が参加せず、危機的であるという感じがします。
でも、牛滝は、このおこもりにしても、春に行われる祭りにしても、
若者が元気いっぱいに参加、そして、年配のみなさんも負けじと元気です。
これからも、元気な牛滝であり続けてほしいものです。