歴史・文化

春の郷土芸能公演 矢越の「新派劇」

投稿日:

例年3月~4月には、福浦地区と矢越地区で、歌舞伎が上演されます。
特に3月には、一般のお客様も見ることのできる特別上演として実施されます。
今年は3月16日に行われました。
で、普通なら見た感想とか書くんですが、今回、ほとんど見てないんですよ。
なぜなら、今回は矢越の主催者事務局をやっていたからです。
今回、矢越で上演したのは、歌舞伎ではなく「新派劇」。
こんな感じ!
IMG_3475.jpg
さっき書いたように、自分は見てないので、別の人に撮ってもらったものです。
それでは、自分の見た舞台裏を少しだけ書きたいと思います。


3月に実施が決まって段取りを始めたのは、1月ごろ。
事務局の私は、当然歌舞伎をやるものと思っていたんですが、
芸能保存会の会長とばったり会ったときに、こういわれたのです。
「今年はシンパなんだよなあ。シンパでいいべか?」
シンパ?
といわれてまったくピンと来ず、よくわからなかったので、聞いたり調べたりしました。
『新派劇』は、明治時代に成立した演劇なんだそうです。
 明治以前は歌舞伎が中心で、派手な演出がされていました。
新派劇はその歌舞伎の影響を受けながら、演出を抑え、より現代的(もちろん、当時における「現代的」です)な演劇を志して始まったようです。
雰囲気としては、歌舞伎のように化粧をして、昔風の演劇になりますが、
歌舞伎よりも少しだけわかりやすい言葉づかいで、親しみがわきますね。
矢越地区では、歌舞伎だけでなく、この新派劇も古くから上演されていたんだそうです。
毎年、歌舞伎・新派劇のさまざまな演目を順繰りに上演しており、
今年は新派劇をやる順番なのだとか。
「歌舞伎でなくてもOKです、地域の文化通り上演しましょう」
ということで、準備は進みました。
本格的な練習は、だいたい1か月前くらいから。
みなさん仕事が終わって、19時ごろに地区のセンターに集まって練習が始まります。
今回、初舞台を踏む25歳の若手もいました。
若手は、まず台本を見て、そして昔のビデオを見ながら、先輩に教わっています。
IMG_2353.jpg
右の、白のズボンにグレーのモコモコジャンパーが25歳のTくんですよ。
そして、舞台に上がって、ざっと流してみたり。
IMG_2351.jpg
この時点では、もちろん棒読み。
1か月間、集中的に先輩の指導を受けながら、だんだん上手になります。
本番、新派劇「弥次喜多・神主の場」はこんな感じでした。
DSC02140.jpg
右側がTくん。堂々と演じて、滑稽な芝居で笑いを取っていました。
おつかれさん!
IMG_3629.jpg
次は秋にむつ市でも公演がある予定ですよ。



-歴史・文化

執筆者:

関連記事

no image

牛滝の「おこもり」雲丹もいっしょ!(後編)

佐井村の牛滝地区で、大漁と無病息災を祈って行われるお祭り「おこもり」。 その模様のレポート、後編です。 (前編は こちら ) 一番膳が終わって、次は、二番膳が始まります。 「二番膳に参加される方は手を …

12年振りの本祭典

8月、矢越地区と牛滝地区で12年振りとなる本祭典が行われました! 人口減少による人手不足などにより、10年以上も眠っていた本祭典を地区の有志達が結集し、実現させました。 本祭典は、三日間かけて行われま …

no image

牛滝の「おこもり」に雲丹もいっしょ!(前編)

佐井村のいちばん南にある集落、牛滝地区では、 毎年、「おこもり」と呼ばれるお祭りが行われます。 漁業の村である佐井村では、大漁や海上安全・無病息災を願うお祭りが多く残っていますが、 「おこもり」もその …

no image

雲丹も登場!老人ホームで歌舞伎公演

今回、参加させていただいた矢越歌舞伎。 むつ市で公演を行った翌日には、村の老人ホーム「ゆうなぎの里」で上演されました。 矢越芸能保存会では、毎年この時期に、老人ホームの慰問を行っているそうです。 楽し …

no image

「仁愛の精神」三上剛太郎先生を偲ぶ

 10月27日は、佐井村の名誉村民、三上剛太郎先生の命日だそうです。  (明治2年生まれ、昭和39年逝去)  お寺に行く機会があったので、お参りしてきました。  せっかくですので、三上先生について紹介 …

アピオス特設ページ
佐井村特産品通販 あおい環オンラインショップ

佐井村をふるさと納税で応援! ふるさとチョイス